第32回「キノコ」

投稿日: 2014年10月29日(水)14:37

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メグーです。
義父からキノコ狩りのお誘いをいただきました。
毎年、毒キノコにあたる人々のニュースを見るだに、キノコに手を出すのはおっかないなあ・・・と思っていたのですが、当たっても死なない限りはネタになる!?
今回のめぐみごはんは、はじめてのキノコ狩りについて、お送りします。

雨が降って2、3日後、キノコがニョキニョキ生えてそうな晴れた日を狙います。
台風一過の秋晴れの日。絶好のキノコ狩り日和に、心ウキウキ。
幼稚園をズル休み(?)して参加の娘もウッキウキで、和やかなムードで山に向かって車は走ります。
そして、美里から車で45分程のお山で、用意してきた長靴に履き替え、軍手を装着。
いざ!キノコ狩り!

山道を適当に分け入って入っていくのだろうとは、思っていましたが、お義父さん。私はあなたをわかっていませんでした。
びっくりするほど険しいです!
イバラもぬかるみもなんのその!
幼稚園児の孫娘を連れているとは思えない大胆さで、義父はどんどんと進みます。
登山道に沿って歩く分だけ、登山の方がよっぽど楽なのでは、と思うほどに、(義父の?)キノコ狩りはハードです。
草をかきわけ、地面を滑り降りては這い上がる!

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そしてマルベリージャムの時のように、虫が降ってくるわけでもないし、日差しもそんなにきつくない。帽子は今日はいらないだろう」と判断した私がアホだった。
お山には蜘蛛が、蜘蛛の巣が、あちらこちらに罠のように仕掛けられていたのです!
「棒で払いながら進むといい」と、ひとり帽子を被り万全の体制の義父。
そして、棒を使って蜘蛛の巣を払いながら進む・・・はずが、私の目線はキノコを探して常に下を向いている。
棒を持ったまま、下を向き、蜘蛛の巣に頭から突っ込んでいく私はドリフか?ドリフなのか?と自問しながら進みます。
後ろでは「待ってええ」と娘の声が響きます。
「山をなめるな!」と娘と自分に涙目で罵声を浴びせ、戦いは続きます。
こんなに苦労するんだ、キノコめ。大量に採ってやるぜ。
横を見ると同じく蜘蛛の巣にまみれた夫の姿が。
普段は草食系の夫の目もいつになくメラメラギラギラ。キノコを探す目に力が入ります。

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そして発見。
今回お目当てのハツタケです!
初茸は、キノコ狩り初心者にもってこいの「毒キノコと間違うことがほとんどないキノコ」です。
キノコの裏が青くなり、見た目はカビカビした感じでまずそうなのですが、とても美味しいキノコです。

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義父が「フィンランド製のキノコ用ナイフ(にやり)」と自慢げに取り出します。
ナイフの柄の部分に刷毛がついており、キノコの軸をナイフでカットした後、刷毛で土や虫を落としてきれいにします。
う、うらやましくなんかない!ムキー。

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例年に比べて、数は少なめ。
山の斜面をよじ登り、イバラやと蜘蛛の巣と戦った割には、残念な収穫量です。
夫が大好きなアミタケにいたっては収穫ゼロ。
ちなみに娘はキノコ探しにはすっかり飽きて、お山で見つけた蛇の皮に夢中。

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昼食後、場所を変えて狙うのは「ウラベニホテイシメジ」と「フクロタケ」。
どちらのキノコも良く似た毒キノコがあるらしいので、注意が必要です。
が、注意以前に、お目当てのキノコが見つからない!!
歩けども歩けども、まるで見つかりません。
義父はどんどんと山奥へと進みます。
わたしはすっかり蜘蛛の巣まみれです。
「深追い禁止」と私の中のマタギがささやきますが、既に入り込んだ山の中。
義父を見失ったら、もうどうやってもとの道に戻るのかわからない。
夫、私、娘で必死に義父を追います。
そして山をさまようこと1時間半。
娘が「いつになったらあきらめるの?」と澄んだ目で義父を見つめ、ようやく山を降りることに。
娘を連れてきて良かった。

ちなみによくわからないキノコはそこそこ生えてましたが「わからないキノコは採らない」と決めていたのでスルー。
でも虫が喰ってないキノコはとても可愛くてきれいで写真をパチリ。
モフモフした苔もいっぱい生えててカワイイ。
キノコはあまり採れなかったけど、たまの山遊びは楽しかったです。

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さあ、続いて採ったキノコを調理していきます。
キノコを塩水につけて、虫を追い出します。

うーん。それにしてもキノコって不思議。
毒々しい色をしてても食べられたり、かと思えばまるで害のなさそうなものが猛毒を含んでいたり。
今回採った中でも毒々しさナンバーワンの「フウセンタケ」はマリオなら一騎減ること間違いなしです。

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キノコを洗ったら、まずは私が好きなハツタケで一品。
適当な大きさに切ったハツタケを、お出汁に醤油、みりん、お酒、砂糖を適当に加えて煮ます。
炊き上がったら、さらに細かく切って、炊き立てのご飯に入れて混ぜたらハツタケご飯の出来上がり。
キノコと一緒にご飯を炊こうか迷いましたが、美里の味ご飯「後混ぜ方式」に従って、今回は濃い目にの味で炊いたものを混ぜてみました。

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そしてお次はシンプルに焼きキノコ。
キノコの傘の部分に、少量のお酒と塩を振りかけて、トースターでチンするだけ。
キノコの傘に溜まった出汁が美味しそうです。

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そして最後に余ったキノコを適当に切って、お豆腐と一緒にお味噌汁に。
ぬめりがあるキノコが合いますね。

完成!秋のキノコ尽くしご飯です。

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採ったときは、ちょっと少ないなーと思いましたが、ちょうど家族で食べる一食分のご馳走に。
どれもこれもとてもおいしかったのですが、中でも一番のオススメは、なんといってもハツタケご飯!
独特の歯ざわりで、キノコだけの混ぜご飯なのにしっかり主張してます。
甘辛く濃い目の味付けで、夫からも「うまい!」とうれしい一言。
この一言で今日の頑張りが報われます。
思いのほかハードだったけど、キノコ狩りに行ってよかった!

そして10日後、ハツタケご飯のおいしさに味をしめた一行は、再び山を目指しました。
もちろん帽子も忘れずに。
ワハハハハ!
ニョキニョキ生えてます!
これぞキノコ狩り。
大量に採れました。
ワーイ!ワーイ!ワーイ!

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ハツタケは佃煮とハツタケご飯に。
ヌメリイグチはお吸い物。
ムラサキシメジ(ウスムラサキシメジは毒があるので注意!)はバター醤油で炒めてジューシー朝ごはん!

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遠い遠い昔からの人の営み。
自分の食べるものを、自分で採る。
お料理して、美味しくいただく田舎ならではの贅沢な時間。
山のめぐみに感謝して、さあ、明日は冷蔵庫で出番を待ってる栗で何を作ろう。

ごちそうさまでした!